キューバを知る会・大阪

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革命政府の声明

トランプ米大統領は2017616マイアミの劇場で、我が国とのあからさまな対立時代を想起させる敵対的表現に満ちた演説を行い、オバマ前大統領とラウル・カストロ国家評議会議長が20141217日に、外交関係の再開ならびに国交正常化プロセスの開始を発表した後、両国が過去2年間に果たした進展を逆行させる対キューバ政策を表明した。

両国関係の逆行となる中、トランプ氏は演説に臨み“米国の対キューバ政策強化に係る国家安全保障大統領令”に署名、教育目的の個人旅行禁止、米国人旅行者のキューバへの渡航制限強化や、米国企業のキューバ軍・情報機関関連企業との経済・通商・金融取引禁止などの政策を表明した。いずれの政策も我々から収入を奪おうと意図するものである。推測に基づくキューバの人権状況及び封鎖に係る法令の厳格な施行を口実にトランプ氏はこの政策を正当化し、封鎖解除及び関係改善の条件として、我が国が国のあり方そのものを変えることを要求している。

トランプ氏はさらに、オバマ前大統領が20161014日に発表した“米国とキューバの国交正常化”大統領令を停止した。当該令は米国政策の干渉的性格や我が国の経済・政治・社会秩序の変化を実現しようとする目論見を隠すものではなかったが、キューバの独立・主権・民族自決を認知し、キューバ政府を正当かつ対等な対話相手として認めるものであった。同時に、両政府間に大きな隔たりが存在する中で、文明的な共存関係が両国とその国民にもたらしうる恩恵を認め、さらに封鎖が時代遅れの政策であり、撤廃すべきであることを認めるものであった。

改めて米国政府は19622月から導入された封鎖措置を強化することで過去の強圧的な手法に訴えている。封鎖はキューバ国民に損害と欠乏をもたらし、我が国の経済開発にとって明白な障害となっているのみならず、他の国々の主権と利益を侵害し、国際的な反発を招いている。

キューバとの非常に制限された貿易・投資機会しか持たない米国企業セクターにとって、発表された一連の措置は更なる障壁を課すものである。

米国議会は国内社会の幅広い層からの意見を反映し、キューバへの渡航禁止措置の廃止のみならず、通商上の制限を撤廃するよう求めている。そのただ中にあって、すでに差別的なライセンスの使用義務を課されている米国民にとって、わが国を訪問する権利はこれらの措置によってさらに制限されることになる。

トランプ大統領の発表は、キューバ人移民を含めた米国内の世論の多数派が支持する封鎖の全面撤廃やキューバと米国の関係正常化と矛盾する。

一方、米国大統領はまたもや誤った助言を受けた結果、キューバとその国民が自由に生きる正当な権利と主権を行使し、自国の運命の主導権を握っているが故に、罰を加えんとする意図を浅ましい動機により放棄しようとしない、フロリダ州のキューバ系過激少数派の政治的利益を優先させる決定を下した。

後ほど、この発表の範囲と意味合いについてさらに深く分析する。

キューバ政府は新たな封鎖強化政策を非難する。繰り返された過去の事例と同様、その失敗は明らかであり、ほぼ60年の長きに渡りあらゆる種類・由来の攻撃に対し抵抗を示したキューバ国民を屈服させ、革命を弱体化させるという目的を達成することはできないであろう。

キューバ政府は政治目的の工作や人権問題を扱う上での二重基準を拒否する。キューバ国民は基本的権利や自由を享受しており、医療や教育、社会保障の権利、同一労働同一賃金、子どもの権利、食料や平和、発展の権利など、米国を含む世界の多くの国にとって夢のような、キューバ国民が誇りとする成果を堂々と示している。封鎖対象国という状況に伴う制限にもかかわらず、キューバはそのささやかな資源を活用し、世界の多くの場所で人権状況の改善にも貢献してきた。

米国は我々に教えを説く立場にはない。米国内における人権尊重・保障について、我々は深く憂慮している。同国では殺人や暴力行為、特にアフリカ系住民に対する警官の暴行事件が多発している。発砲による死亡事件の結果、生命権が侵害される。児童労働による搾取、人種差別の横行。医療サービスの制限を強め、2,300万人が無保険に陥りかねない。男女間の賃金格差、イスラム系をはじめとする移民・亡命者の排斥、隣国を侮辱するような壁の建設を目論み、環境保護と気候変動対策に関する国際的な約束を反故にする。

米国による他国での人権侵害も同様に憂慮の種である。不当に占拠しているキューバのグアンタナモ米海軍基地において囚人数十人を恣意的に拘束し、拷問すら行った。裁判外の処刑、民間人の爆死、ドローンの使用。イラクに対して大量破壊兵器の保有を理由に攻撃したように、偽りに基づき複数の国々に戦争を仕掛けた。その結果、中東地域の平和・安全・安定に悲惨な結果がもたらされた。

キューバは人権に関する44の国際文書の締約国であるが、米国は18文書の締約国にしか過ぎないため、わが国はより多くを証明し、意見を述べ、守るべき立場である。

キューバと米国の国交回復が決定された後、国連憲章に謳われた原則と目的に基づき、両国の国民と政府は相互尊重と協力の関係を発展させるという意思を確認した。201571日の声明でキューバ革命政府は次のことを再確認した。「この関係はわが国の独立と主権に対する完全な尊重、すべての国が有する不可侵の権利であるところの、いかなる形の干渉も受けずに政治・経済・社会・文化制度を選択する権利、そして国際法上の放棄できない原則を構成する主権平等と互恵、これらを土台に築き上げられなければならない」。キューバの首都ハバナで開催された中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)2回首脳会議において、参加国首脳や政府が調印した平和地帯宣言にもこの内容が盛り込まれた。キューバはこれらの原則をこれまでも、これからも決して放棄しない。

キューバ政府は相互の関心事項における敬意ある対話と協力や、米国政府との懸案事項の交渉を引き続き行う意向があることを改めて表明する。ラウル・カストロ国家評議会・閣僚評議会議長が繰り返し述べたように、両国は互いの違いを尊重しつつ、両国とその国民の利益につながるあらゆる事柄を推進し、文明的に協力し共存できるということがこの2年間で証明された。とはいうものの、キューバがそのために主権や独立に関して譲歩し、何らかの制約を受け入れるなどと期待すべきではない。

キューバの政治・経済・社会体制を変えようとする戦略は、たとえ圧力や強要、あるいはより巧妙な手法を通じて試みようとも、いずれも失敗に終わる運命にある。

キューバが必要とする諸変革については、1959年から実施し、現在も経済・社会モデルの更新プロセスの一環として取り組んでいるように、キューバ国民が主権の下、引き続き決定していく。

195911日の勝利の日から行ってきたように、我々はいかなるリスクがあろうとも、主権を有し、独立し、繁栄し、持続可能な、民主的な社会主義国家の建設のために引き続き断固とした確信を持って進んでいく。

 

2017616日ハバナ