キューバを知る会・大阪

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[本の紹介]

革命の侍
――チェ・ゲバラの下で戦った日系二世フレディー前村の生涯
(2100円 長崎出版 2009年8月)

ボリビアで生まれた日系二世フレディー前村は幼い頃から助け合いの精神を持ち、貧しい人々が医療をうけやすくなるようにと願い医師を志しました。キューバ政府の奨学金を受け留学生としてハバナに渡った彼はゲリラとして故郷ボリビアへ。チェ・ゲバラからは「医師(メディコ)」と呼ばれ、共にゲリラ闘争に身を投じましたが、ボリビア政府に25歳で殺害されました。遺体は99年に発掘され、他のゲリラと一緒にサンタ・クララの霊廟に安置されています。
著者は彼の姉とその長男です。フレディー前村の遺族は革命が失敗に終わったのでその後、軍政から長い迫害の中で過ごしました。しかし彼が「忘却」されることに耐えられず、肉親フレディーの歴史的記憶を奪回し歴史の中で正当な位置を占めさせようと必死に努力しました。
フレディーは「少年時代から、不屈の精神、責任感、正義感が際立っていた」と初めに書かれています。遺族なのでどうしても良く書きがちだとしても、彼を知る証言が具体的に語られています。読み進むとフレディー前村とチェが重なってくるのが不思議です。そして同じ日本人として誇らしくなってきました。彼らのボリビア革命が失敗したので参加した人々の事を深く知ろうとは思いませんでしたが、チェと共にゲリラとして選ばれる事そのものがすごい事なのだと改めて尊敬の念を抱きました。本書はページ数が結構ありますが、日本からの移民の様子やボリビアの情勢も書かれて読みやすいのでお勧めです。