キューバを知る会・大阪

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気候変動サミットでのオバマと先進国の役割を厳しく批判


--フィデル・カストロの考察

ここで紹介するのは、昨年12月にデンマークのコペンハーゲンで行われた気候変動サミッ

ト(COP15)について、12月19日に発表された

フィデル・カストロの考察「THE TRUTH OF WHAT HAPPENED AT THE SUMMIT

(サミットでの出来事の真実)」です。


 日本でも、このCOP15については、「コペンハーゲン合意」の採択が見送られて「留意」にとどまり、何ら拘束力のある取り決めがなかったなどから「失敗」であったことなどが報じられました。しかし、第三世界と先進国の対立、「ベネズエラとボリビアが反対」などと、その「失敗」の責任を途上国に押しつける論調が多数でした。

ところが、このフィデルの考察を読むと、オバマ大統領へ異常に配慮したデンマーク政府の議事運営や、一部の国しか参加できない非民主的な会議設定などサミットのあり方そのものに大きな問題があったことが分かります。

そしてより本質的には、地球温暖化防止のために必要である

「2020年までに排出量の最低45%削減」

「2050年までに80%か90%の削減」などの排出量規制をないがしろにしたこと、

90年を基準にした削減目標である京都議定書の枠組みに「死亡証明書」を出す

という愚かな企てにフィデルは強い抗議をし、事態の進展に危機感を表明しているのです。

いかにしてCO2削減義務を回避するか--これが、端から削減義務を負うつもりのない米国のオバマ大統領をはじめ、先進諸国の最大の関心でした。すなわち、京都議定書を骨抜きにする合意案の採決を、ベネズエラとボリビアが代表したALBAや会場をとりまいた反対デモなどが許さなかったというのが真実のようです。
 

フィデルの懸念は「人間社会が生き残るかどうか」にあります。地球温暖化を防止するために、大量生産・大量消費と決別しCO2排出をドラスチックに押さえ「持続可能な社会」を作り出していくためにどうすればいいのかを問うています。

フィデルの言葉に耳を傾けたいと思います。
 

※原文はグランマ、キューバ大使館ホームページなどに掲載
Reflections by comrade Fidel
THE TRUTH OF WHAT HAPPENED AT THE SUMMIT(12/19)
http://www.cuba.cu/gobierno/reflexiones/2009/ing/f261209i.html 

 

なお、12月26日に発表されたフィデル・カストロの

「Humanity's right to life(人類の生存権)」は、

キューバ大使館ホームページに、原文と翻訳文が掲載されています。
http://embacuba.cubaminrex.cu/Portals/55/reflexion261209.doc

フィデル同志の考察

『サミットでの出来事の真実 』 仮訳

 若者は誰よりも将来に関心がある。

 ごく最近まで、議論はわれわれが将来に持つ社会の種類をめぐって展開してきた。今日では、議論は将来に人間社会が生き残るかどうかに集まっている。

 これらはドラマで語られる文句ではない。われわれは本当の事実に慣れなければならない。希望は人間の決して捨てることのできないものである。正しい議論を通じて、あらゆる年齢の男女、とくに若者がサミットで模範的な闘いをし、世界に偉大な教訓を与えた。

 今やキューバと世界が、コペンハーゲンでの出来事を可能な限りよく知るようになることが重要である。真実には、世界の運命をその手に握る者の影響を受け頻繁にゆがめられている見解を打ち負かす力がある。  

 もしデンマークの首都で重要なことが達成されたとするなら、それは、メディアの報道が、ここで生じた政治的混乱と、希望と期待を抱いてはるばるコペンハーゲンのサミット開催地にやって来た、国家や政府の首脳や、大臣たちや数千の社会運動や社会組織の代表者に対する屈辱的な扱いとを、世界の人民に見えるようにしたことである。平和的な抗議者たちに対する警察の野蛮な弾圧は、1940年4月隣国デンマークを占領したナチス突撃隊の行動を思い出させるものであった。

 しかし、2009年12月18日サミット最終日、デンマーク政府――アフガニスタンの殺戮に関係するNATOの一同盟国――がサミットを中断し、本会議場ホールをオバマに提供するなどとは誰も考えなかったであろう。そこでは、彼と選ばれたゲスト集団--総勢16人--だけが、排他的に発言する権利を持ったのである。

 オバマの詐欺的で扇動的であやふやな発言は、拘束力ある義務を含まず、京都枠組条約を無視した。そして彼は数名の他の発言を聞いてすぐに会場を出た。発言するよう招かれた者の中には、先進諸国、いくつかの新興諸国や世界の最貧諸国があった。170カ国以上の指導者たちと代表者たちは、ただ聞くことを許されただけであった。

 16人の選ばれた者の発言が終わった時、エボ・モラレスは――アイマラ先住民の出身であることと、ボリビア上・下院の2/3の支持だけでなく65%の支持で最近再選されたこととの権威を持って――発言権を要求した。デンマークの議長は他の代表の主張に従わざるを得なかった。エボが賢明で深い見解を述べ終わった時、デンマークの議長はウーゴ・チャベスに発言を許さざるを得なかった。この2人のスピーチは、短いタイムリーな発言の実例として歴史に刻まれるであろう。彼ら2人は使命を十分に遂行し、間もなくそれぞれの国へと去った。しかし、オバマが席を外した時、彼はまだ開催国で何も仕事をしていなかったのである。

 17日の夕方からと18日の早朝何時間か、デンマーク首相と米高官は、欧州委員会議長や27国家の指導者たちと会合を続け、オバマに代わって、残る世界の指導者たちの誰一人として作成に参加しなかった協定案を、かれらに紹介した。それは、社会的諸運動や科学的及び宗教的諸組織の何千人もの代表や他のサミット参加者たちを蔑ろにした、反民主的でほとんど秘密のイニシアチブであった。

 18日の夜から19日の午前3時まで、多くの国家の首脳たちがすでに出発していた時、国の代表者たちは本会議の再開とこの催しの締め括りを待っていた。18日を通して、オバマは会合を開き記者会見を行い、ヨーロッパの指導者たちも同じことを行った。それから彼らは去った。

 予期せぬことが起こったのはその時である。19日午前3時、デンマーク首相はサミットを締め括る会議を招集した。その時までには、国を代表するのは閣僚、官僚、大使、専門スタッフとなっていた。
 しかし、その朝、第3世界の代表者たちの一グループが、サミットの総意による合意文書として米が押し付けた文書を導入しようとするオバマと地球上の最富裕国の試みに対して、異議を唱える驚くような闘いが行われた。
 ベネズエラ代表のクラウディア・サレモは、ものすごい気迫で強くテーブルを叩いたために血の流れる右手を示しながら、発言の権利を主張した。彼女の語気と主張の威厳は決して忘れられはしないであろう。

 キューバの外務大臣は、約千語の力強いスピーチを行った。その中から私はこの考察に少数のパラグラフを選んだ。

 「議長、あなたが存在しないと繰り返し主張してきた文書が今表れている。・・・私たちは草案がこっそり回って秘密の会合で討議されているのを知っている。」

 「私はあなたのこの会議のリードの仕方に強く憤慨している。」

 「キューバは、この偽の草案の本文を極めて不適切で認めがたいものと見なしている。摂氏2度の目標は受け入れがたく、それは計り知れない破局的結果をもたらすであろう。」

 「あなたが不幸にも導入しようとしている文書は、温室効果ガス排出の削減とどの点でも結びついてはいない。」

 「私は前の草案を知っているが、それもまた怪しい秘密の手続きで、小さな諸グループによって協議された。」

 「あなたが今導入しようとしている文書には、前の草案に含まれていた、すでに不十分で足りないキー・フレーズを含むことはできない。」

 「2020年までに排出量の最低45%、2050年までに80%か90%の削減を保証することが緊急かつ不可避であるという広く認められた科学的見解に、それは対立するとキューバは考える。」

 「将来の排出量削減合意に達するための交渉継続のどんな主張も、京都議定書が有効であることの考えを不可避的に含まなければならない。・・・議長、あなたの文書は京都議定書の死亡証明書であり、わが代表団はそれを受け入れることはできない。」

 「キューバ代表団は、交渉の将来のプロセスの核心として、『異なった責任に基づく共通の』原則の優位性を強調したい。あなたの文書はそれについての言葉を含んではいない。」

 「この宣言案は、途上国への具体的な資金支援義務と技術の移転――国連気候変動枠組条約の下で先進国が約束した義務の一部――とに言及していない。・・・議長、先進国はあなたの文書を通じて自らの利益を押し付け、どんな具体的義務も避けようとしている。」

 「議長、『代表的指導者たちのあるグループ』とあなたが定義するものは、私には国連憲章に捧げられた主権平等の原則の目に余る侵害である。」

 「議長、第15回締約国会議の遺憾な恥ずべき作業最終報告の中に、この言明が含まれるよう正式に要求する。」

 各国代表の全体に意見表明のために与えられた総時間はたった1時間であった。このことが複雑な恥ずべき見苦しい状態を引き起こした。

 それから長い議論が続いた。そこでは、先進国の代表がその他の国々に、会議が上述の文書を熟慮の最終結果として採択するよう強く圧力をかけた。

 少数の国が、危機的な排出量と米が働きかけた文書の曖昧さ、とくに二酸化炭素排出量の削減に対する、及び南の諸国が軽減・調整対策を取るのを可能にする資金支援に対する、先進国の義務の不在を断固として主張した。

 長い極めて緊張した討議の後で、文書は会議には受け入れられないという、ALBA諸国とG77議長のスーダンの立場は広まり、こうして文書は採択できなかった。

 コンセンサスの不在を考えると、会議は約25ヶ国のあるグループの立場を表明する文書の存在にただ「留意する」ことができただけであった。

 その決定が行われた後、デンマーク時間の午前10時30分、ブルーノは他のALBA代表と一緒に国連事務総長と和やかに会談し、気候変動の恐るべき結果を防ぐために国連と共に闘争を続ける意欲を表明した。彼らの使命は遂行され、われわれの外務大臣と国家評議会副議長エステバン・ラソは、人民権力全国会議に出席するため帰路に着いた。代表団の少数のメンバーと大使は、最終手続きに参加するためコペンハーゲンにとどまった。

今日の午後のかれらの報告は次の通りである。

「文書の作成に関わった者、米大統領のように文書の採択を期待した者の両者とも、提案した『コペンハーゲン合意』を単に『留意』する決定を無視することができなかったので、いかがわしい取り決めの一部にはなったことのない他の締約国にそれを支持させ、公にする手続きを導入しようとした。その意図は、そのような合意が合法的であり、継続すべき交渉の成果の前提条件となりうるものと見せかけることであった。」

 「そのような時代遅れの試みは、またもやキューバ、ベネズエラ、ボリビアの断固とした反対にあった。これらの国は、会議によって採択されていない文書は合法的とは見なしえず、締約国の文書は存在せず、それゆえ、提案された採択のために確立された規定などは全く存在しない、と警告した。」

 「このようにしてコペンハーゲン会議は、米政府の明白な扇動的指導下でこの数日間こそこそと作った文書の採択も無しに、終わりに近づいている。」

 明日われわれの注意は人民権力全国会議に集まるであろう。

 代表団のラソ、ブルーノ、その他のメンバーたちは今日の真夜中に到着するであろう。月曜日には、外務大臣が詳細に必要な精度で、サミットでの出来事の真実を説明することができるであろう。

フィデル・カストロ・ルス
2009年12月19日
午後8時17分


(翻訳W)


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(以下、キューバ大使館ホームページより転載)
Humanity's right to life
http://embacuba.cubaminrex.cu/Portals/55/reflexion261209.doc


『人類の生存権 』

気候変動はすでに多大な被害を引き起こしており、数億人の貧しい人々がその結果に苦しんでいます。

取り返しのつかない大災害を回避するのにわずかな時間しか残っていないと複数の最先端科学の研究所が断言しています。NASAゴダード研究所のジェームズ・ハンセン氏は二酸化炭素濃度が350ppmの水準ならば、いまだ許容量内であると断言しています。しかし、今日、数字は390ppmを越え、なお毎年2ppmの割合で増加しており、60万年間のレベルを超えています。過去20年間が過ぎて、毎年観測記録を更新して暑くなっています。ここ150年間で二酸化炭素濃度は80ppm増加しました。

北極海の氷、グリーンランドを覆う2Kmもの厚みの巨大な氷の層、主たる真水の源泉をはぐくむ南米の氷河、南極を覆う巨大な量の氷、キリマンジェロから減りつつある氷雪、ヒマラヤ山脈を覆う氷、シベリアの膨大な凍土は目に見えて溶けています。著名な科学者たちは、気候変動をもたらすこうした自然現象の量的急変を恐れています。

1997年に調印され、2005年に効力をもった京都議定書の後、人類はコペンハーゲン会議に大いに期待しました。コペンハーゲン首脳会議のドタバタの失敗は、しかるべき説明が必要な恥ずべきエピソードを生みました。

米国は世界の人口の5%以下でしかありませんが、二酸化炭素排出量は25%です。米国の新大統領は、自国と他の国々に害を与えている問題に直面するため、国際的努力と一緒に協力することを約束していました。しかし、コペンハーゲン会議に先立つ会合で、米国と豊かな国の指導者が新興国と貧困国に犠牲を押し付けようと操作していたことが明らかになりました。

歴史上最大の危機に直面している人類を守るための闘争を決意した数多くの指導者、社会運動と科学研究機関の数千人の代表者が首脳会議組織者によって招待され、コペンハーゲンに駆けつけました。私はコペンハーゲン会議での政治的側面に集中したいので、数千人のデモ隊とデンマークの首都に集まった社会運動の招待客と科学者に飛び掛ったデンマーク警察の残忍性について詳細を言及するのは省略します。

コペンハーゲン会議は混乱そのものであり、信じられない出来事が起きました。社会運動と科学研究機関には討論参加は許されませんでした。死活問題について自分たちの意見を表明すらできなかった国家と政府の元首もいました。オバマと最も金持ち国の首脳たちは、デンマーク政府との共犯でこの会議を牛耳りました。国連の各機関はわきに追いやられました。

バラク・オバマは最終日に到着し、わずか12時間しか滞在せず、招待客の中から自分が「指名」した2つの団体と協力国と会合を持ちました。オバマは、そのうちの1団体と残りの高レベルの代表者と共に本会議場で会議を行いました。オバマは答弁後、後ろのドアからすぐ出て行ってしまいました。その本会議では、大統領自らが選んだ小グループ以外の国々の代表団には発言が禁止されました。その会合ではボリビア大統領とベネズエラ大統領に発言が許されましたが、それは出席者からの強い要請を前にして、首脳会議議長には演説の場を与える他に選択の余地がなかったからです。

隣の会議室でオバマは、最も金持ち国の首脳および新興国でもっとも重要な数カ国の首脳、および2カ国の貧困国の首脳と会合を持ちました。ある文書を提出し、もっとも重要な2-3カ国の首脳と交渉し、国連総会を無視し、記者会見に臨み、オバマはジュリアス・シーザーが小アジアでの凱旋中に「来た、見た、勝った」と叫んで立ち去ったように立ち去りました。

ゴードン・ブラウン英国首相自身が10月19日に次のように断言していました。「今回、合意に達しなければ、必ずそうしたいが、管理不能な排出が大きくなれば、ある将来の時点でさかのぼってグローバルな合意ができたとしても、その選択は無に帰してしまうだろう。そのときまでには、取り返しがつかないほど、あまりに遅すぎることになっているだろう。」

ブラウンは劇的な言葉で演説を締めくくりました。「もう失敗という余地は許されないのです。今失敗をしたら、莫大な対価を払うでしょう。今私たちが実行に移れば、ともに実行すれば、視点と決意を持って実行すれば、コペンハーゲンでの成功はまだ私たちの到達圏内にあります。しかし、失敗したら地球は危機に陥ります。地球に次善策は存在していません。」

ブラウンは国連機関がキューバ、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグア、ツバルのような小国集団に乗っとられるべきでないと傲慢に表明し、同時に中国、インド、ブラジル、南アフリカ、他の新興国を米国の誘惑に譲歩し、京都議定書をゴミ箱に投げ込み、米国および金持ち同盟国の側に何らの取り組み義務もつけていない文書に調印したとして非難しました。

私は第二次世界大戦後、せいぜい60年前に国連が生まれたことを思い出さずにはいられません。当時、独立国は50カ国を上回っていませんでした。今日では190以上もの独立国が加盟しています。諸国民の決意に満ちた闘争により、恐るべき植民地体制はなくなりました。中華人民共和国自身さえ、国連加盟を長年拒否され続け、傀儡政府が国連と権威ある国連安保理の代表権を陣取っていました。

中国の国際的認知にとって、第三世界で増大する国々の力強い支援はなくてはならないものでした。また、それは米国とNATO加盟国が国連で中国の代表権を承認する重大な要因になりました。

ファシズムとの英雄的戦いにおいて、ソ連邦は最大の貢献をしました。2500万人超の青年たちが命を失い、甚大な破壊が国を壊滅状態にしました。ソ連邦はこの闘争から、第三世界の諸国民から際限のない収奪をしていた米国と旧植民地宗主国の帝国システムの絶対支配に対抗しうる能力のある超大国として登場しました。ソ連邦が解体すると、米国はその政治的・軍事的権力を東方に拡大し、ロシアの中心地まで及び、欧州に対する影響力を増大させました。コペンハーゲンで起こったことは何も奇妙なことではありません。

英首相の宣言とヤンキー(米国)が、どの参加国も一度として論議したことのない文書を「首脳会議の合意文書」として押し付けた不正義と侮辱を私はここで強調します。

キューバの外務大臣ブルノ・ロドリゲスは、12月21日に行われた記者会見で、否定できない真実を明らかにしました。彼自身が話した言葉を引用します。「コペンハーゲンでは当事国会議の何らかの合意はなかったことを強調したいと思います。これに関係した妥協案、あるいは関係しない妥協案の決定は全くなかったし、いかなる形であれ国際法の本質についての決定もありませんでした。一言で言えば、コペンハーゲンでは何の合意もなかったということです。」

「コペンハーゲン会議は失敗し、国際世論へのごまかしに終わりました。(…)政治的意思の欠如があらわになりました。」

「気候変動の現象を予防し、和らげるための国際社会の行動において、コペンハーゲンは一歩後退でした。」

「世界の平均気温は5度上昇するかも知れません。」

ただちにキューバ外相は、最新の科学研究に基づいて起こりうる現象について興味深いデータを付け加えました。

「京都議定書から今日まで、先進国の二酸化炭素排出量は12.8%上昇しました。この量の55%は米国に該当しています。」

「米国人1人は平均して年間25バレルの石油を消費する、ヨーロッパ人は11バレル、中国人は2バレル以下、またラテンアメリカ人あるいはカリブ海諸国の人は1バレル以下です。」

「欧州連合加盟国を含めた30カ国が生産された燃料の80%を消費しています。」

非常に現実的な事実は、京都議定書に署名した先進国が著しく排出量を増やしたことです。こうした国々は1990年以来の排出量について採択された基準を2005年からの排出量に変えたいと思っています。これをもって、最大の排出国である米国が25年前の排出量のたった3パーセントだけを減らすというものです。これは世界世論に対する恥ずかしげもない侮辱であります。

ALBA加盟国グループを代表して話していたキューバ外相は、中国、インド、ブラジル、南アフリカなど重要な経済新興諸国を擁護し、京都において到達した枠組みについて「共通的な責任感ではあるが、違いもあります。すなわち、二酸化炭素の歴史的な蓄積国かつ工業先進国はこの被害の責任諸国であり、他の小さな島嶼国と南の国々、とりわけ発展の遅れている国々とは明確に異なった責任を持っています。」と言明しました。

「責任とは資金を出すということです。責任とは受け入れ可能な条件の技術移転のことです。オバマは言葉遊びをしています。共通だが異なった責任について話す代わりに、『共通だが異なった対応』について話しています。」

「オバマは誰の演説も聞かないで本会議を退席しました。自分の演説の前に誰の演説も聞いていませんでした。」

オバマはコペンハーゲンを去る前のその後の記者会見で、次のように話しました。
「ここコペンハーゲンで、前例ない内容の充実した合意が得られました。複数の経済大国が史上初めて責任を引き受けるためにいっしょに来ました。」

キューバ外相は明確で反論できない表現で「その『経済大国が責任を引き受けるためにいっしょにやって来た』ということは、何を意味しているのでしょうか?資金供与を意味する責任の大部分から手を引くと言っているのでしょうか。南の諸国、中国、ブラジル、インド、南アフリカに気候変動になじめと言っているのでしょうか。言っておかなければなりません。コペンハーゲンで1つの攻撃があったからです。すなわち、中国、ブラジル、インド、南アフリカ、および発展途上国と婉曲的に呼ばれている全ての国々に敵対する強奪行為があったのです。」

キューバ外相がコペンハーゲンでの出来事を報告したとき、その言葉は強い印象を与え、反論できないものでした。

私は次のことを付け加えます。12月19日午前10時、エステバン・ラソ副議長と外相が出発した後、遅まきながら首脳会議の合意としてコペンハーゲンの死体をよみがえらせようとする企てがありました。その時には事実上、首脳どころか大臣すら一人も会場に残っていませんでした。再び、キューバ、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグア、その他の国々の代表団の残りのメンバーが訴え、会議操作を覆しました。このようにして、面目のないコペンハーゲン会議は幕を閉じました。

そのほか忘れることのできない出来事は、この19日の最も緊張の高まった瞬間、すなわち夜明け前の時間に、キューバ外相はそれぞれの尊厳を掲げて闘っていた代表団と一緒になって、バン・キムン国連総長に協力を申し出ました。今、闘っているがますます厳しくなる闘いに自ら協力すること、私たち人類の命を守るために将来取らなければならない努力に協力することを申し出ました。

環境団体のWWF(世界自然保護基金)は、二酸化炭素排出量を劇的に削減しなければ、気候変動は今後5―10年は管理不能状態になるだろうと警告しました。

しかし、オバマの行動に関してここで述べたことの本質的部分を見せなくてもいいでしょう。

米国大統領は、12月23日に、人々が気候変動サミットの結果にがっかりしているのは当然だと話しました。CBSテレビ局のインタビューで、大統領は、「コペンハーゲンは完全に失敗だとみるより、そこでは何もなかったし、大きな後退であった。少なくとも自分の立場を退かなかったし、自分たちの到達地点からあまりにも後戻りしたとは言えないだろう。」と述べました。

ニュース番組は、オバマこそが、首脳会議の結果が全くの失敗だったと感じている国々からほぼ満場一致でもっとも批判された人物であったと伝えていました。

今や国連は困難に直面しています。横暴かつ反民主的な合意文書に同意するように各国に求めることは、多くの国々にとって侮辱です。

闘いは続きます。すべての会議、特にボンとメキシコの会議で真実が私たちに与えるモラルと力を込めて人類の生存権を強く要求していきます。私たちの判断ではこれ以外の道はありません。

フィデル・カストロ・ルス
2009年12月26日
午後8時15分