キューバを知る会・大阪

キューバの魅力を紹介します

キューバを「国際テロ支援国家」とする米国の決定に

キューバ外務省が抗議


 ここに訳出するのは、キューバを「国際テロ支援国家」とした

米国政府の1月4日の措置に対するキューバ外務省の声明

です。私たちは、オバマ政権の今回の異常な決定に怒りを禁じ

得ません。

米国運輸保安局は1月4日から出入国管理において、「追加

的な安全管理措置」なるものを行い、「国際テロ支援国家」とし

てイラン、シリア、スーダンとともにキューバを含めました。

これらの国に入国した履歴のある乗客は身体検査されたあげく、

手持ちの荷物を全て検査され、爆発物探知と映像読み取りの

ための精密技術検査を受けるという屈辱的な扱いを受けること

になったのです。
 

私たちはいかなる国も米国政府によって「テロ支援国家」なる

レッテルを貼られるいわれはないと考えます。

中でもキューバはそのような扱いを決して受けてはならない国

です。

声明にもあるように、社会主義国キューバは成立以来一貫して

自国とその人民の生活だけでなく、全世界の人民の生命と生活、

環境に深い関心を持ち、国際的な医療支援や人道支援を率先して

行って来ました。

戦争や破壊活動、「テロ」を非難し、その防止のために闘ってきました。
 

キューバに対して「テロ活動」を行ってきたのは米国の方です。

数々の領空侵犯、爆破、暗殺、謀略等々を繰り返し、甚大な被害を

与え、多くのキューバ人を殺害してきました。

「テロ活動」を防ぐために米国に渡った5人のキューバの若者は

不当拘束され、11年経った今も米国の牢獄につながれたままです。
 

オバマ政権は成立時は「チェンジ」を掲げてブッシュ政権との違いを

鮮明にし、「対テロ戦争」からの撤退やキューバ経済制裁の解除、

悪名高いグアンタナモ収容所の閉鎖などの方針を掲げましたが、

アフガニスタンへの増派と泥沼化、パキスタン、イエメンなどへの戦

争の拡大、グアンタナモ閉鎖の無期限延期等でブッシュをも上回る

戦争政策を遂行するに至っています。

「テロ国家」とは他ならぬオバマの米国に他なりません。
 

今回の措置は、観光収入を大きな外貨収入源とするキューバ経済に

対して、観光客のキューバ訪問に二の足を踏ませることで、

一層の制裁強化をもたらすものであり絶対に許すことはできません。

キューバを知る会・大阪は「キューバ外務省の声明」を支持し、

今回の措置の撤回を強く求めるものです。

2010年2月1日
キューバを知る会・大阪

以下翻訳 (キューバ大使館の協力で一部修正)


キューバ外務省の声明

Statement from the Ministry of Foreign Affairs
http://www.cubaminrex.cu/English/Statements/Articulos/

StatementsMINREX/2010/07-01-10_2.html

 1月4日(月)に複数の報道で明らかにされたように、米国運輸

保安局は1月4日から世界中の全ての空港において追加的な

安全管理措置を実施することになった。

それは米国務省によって「国際テロリズム支援国家」と指定され

た諸国からのパスポートを持った全ての乗客に適用される。

その中に、恣意的かつ不当なことに、イラン、シリア、スーダンと

ともにキューバが含まれている。また同時に「〔テロリズムに〕関係

する」とされた諸国、アフガニスタン、アルジェリア、イラク、レバノン、

リビア、ナイジェリア、パキスタン、サウジアラビア、ソマリア、

イエメンも対象国となる。

この措置はこれらの14カ国のいずれかに一時的に立ち寄った人にも

適用されることになる。

 この新たな措置をとるという決定が採用されたのは、去る
12月25日のデトロイト行き航空機(米国ノースウェスト空港
に所属)へのテロリストによる攻撃の後であったと伝えられ
ている。

 匿名の米当局者の発言についての報道
によれば、これらのカテゴリーに該当する乗客は身体検査さ
れ、手持ちの荷物を全て検査され、爆発物探知と映像読み取
りのための精密技術検査を受けることになるであろう。

 1月5日、バラク・オバマ大統領自身が国家安全保障チーム
のメンバーとの会食の後に、前日(1月 4日)の上記の措置が
「テロリズム支援国家および関連国のリ
ストに挙がっている国からまたはそれらの国を経由して、
航空機で米国に入る乗客」に適用されるということを、確認した。

 その同じ日の午後、キューバ外務省とワシントンにあるキュ
ーバ利害関係局は、ハバナにある米国利害関係局と米国務省に
それぞれ抗議の文書を提出した。

 その文書でMINREX(キューバ外務省)は、米国政府による最
新のこの敵対的な措置をきっぱりと拒絶している。それは全く
政治的な理由から不当にもキューバをいわゆるテロ支援国のリ
ストに含めているからである。また、国際社会の圧倒的多数に
よって非難されている封鎖政策を正当化するという唯一の目的
をもって持ち出されているからである。

 同様に、その文書はこれらのリストの詳細に触れ、キューバ
が歴史的にずっとテロリズムの犠牲者であり続け、そのテロリ
ズムにキューバが対峙してきたということの非の打ち所のない
記録を示す諸事実を強調している。その文書は、我が国を「国
際テロリズム支援国家」のリストに含めることを正当化しよう
として米国政府が用いている議論が「全て事実無根である」こ
とを繰り返し指摘し、この恣意的なリストからキューバをただ
ちに除くことを要求している。

その同じ日に、米国務省スポークスマンは、AFPニュースの
求めに応じてキューバ外務省の抗議文書について次のように述べ
た。「キューバはテロ活動を支援している国である。従ってキ
ューバ市民と航空通過客は、安全保障上の理由からの追加措置
に服さなければならない」と。

 この新たな措置の制定について、ワシントンポストのような
米国の主要メディアのコラムニストたちは、キューバを「テロ
リスト国家」に指定することは「お笑いぐさ」であり「似つか
わしくない」と述べた。彼らは、キューバが米国の安全保障に
脅威を与えていないことを指摘し、キューバからの航空機にテ
ロリストを捜し求めることは「時間の無駄」であると断言した。

 2010年1月5日に再度、米国務省スポークスマン、フィリップ・
クローリーはキューバを「テロリズム支援国家」に指定するこ
とは「妥当だ」と述べた。その翌日1月6日、AFPに他のスポ
ークスマンが、キューバをそのリストに入れ続けることを正当
化しようとする古くさい口実を繰り返した。

 1982年にロナルド・レーガン政権は、その敵対政策およびキ
ューバ革命のイメージを傷つけ貶めるためのプロパガンダ・キ
ャンペーンの一環として、不当にもキューバを国務省の「国際
テロリズム支援国家」の年次リストに加えた。それはニューヨ
ークのツインタワーへの攻撃のずっと以前のことであった。

 そのリストにキューバを加えることで、それに伴う新たな経
済制裁が実施された。その制裁には金融取引の凍結、技術移転
の禁止、及びキューバの国家と市民に対する制限と孤立化の諸
措置が含まれている。これらの制裁措置が、キューバ革命の初
期の頃からすでに実施されてきた経済的・商業的・金融的封鎖
の厳しい諸措置に追加されたのである。

 毎年、米国政府はキューバをそのリストに入れ続けるために
様々な口実を使ってきた。その全てが信用できないもので、我
が国が何らかのテロ活動に加わったというごくわずかな証拠さ
え全く提示することができないのである。

 2009年4月30日にオバマ政権はこのリストにキューバを入れ
けるという非常識な措置を追認し、次のように繰り返した。
「キューバ政府は、様々なテロリストに安全な隠れ場所を提供
し続けている。」「ETA、FARC、ELNのメンバーが
2008年のキューバにいた。」「キューバ政府は、米国からの逃
亡者がキューバで合法的に暮らすことを許している。」といっ
た具合に。しかしそれらのことは、キューバ外務省によってき
っぱりと却下されており、また、フィデル・カストロは米国に
この問題での議論を呼びかける反論を示した。

 キューバは過去にこれらの口実の虚偽性と操作性を示す充分
なエレメントを明らかにしてきた。 2003年5月発表のキュー
バ外務省声明に余すところ無く反映されているように、「キュ
ーバは隠すものは何もないし、恥じることも何もない」。


 バスク地方の組織ETA〔バスク祖国と自由:スペイン・
フランスからバスク地方の分離独立を目指す武装組織〕の様々
な亡命者たちがキューバに存在しているのには理由がある。
それは、四半世紀以上前にこの事柄に関係する諸政府によっ
て合意がなされ(キューバはその交渉には加わっていない)、
その諸政府による要請に起因している。その合意によって、
その組織のメンバーの小グループがキューバに来たのである。
キューバは、そのグループのどのメンバーも対しても、この国
をいったん離れた者はキューバ領内には二度と入国できないと
いう厳格なルールを確立している。

 キューバに在住するETAメンバーがスペインや他の諸国へ
の敵対的組織活動のために我が国の領土を利用したことはこれ
まで一度もない。キューバは合意の精神に誠実に従ってきた。
ETAメンバーのキューバ在住という問題は、スペイン政府と
の間でいかなるコンタクトが維持されてきたかということを見
れば、それは双務的な事項である。米国政府は、これらの問題
に干渉する権利も権威も持っていないし、この問題に全く無関
係であり、またこのことが米国や他の国の国家的安全保障に
影響することはほとんどないのである。

 コロンビア革命軍(FARC)とコロンビア民族解放軍(EL
N)に関しては、知られている通り、コロンビア政府とこれら
のゲリラ勢力の双方が、キューバに和平交渉過程への参加を
要請することで、すでに合意している。その枠組みの中で、
キューバは、対話促進のための諸国グループおよび和平協議
のための友好国グループの一員となり、いくつもの交渉の場
を主催国として提供してきたのである。

 キューバ政府のこのような明白な立場と和平プロセスへの
援助は、FARCとELNによってだけでなく、国連とコロ
ンビア政府によっても公的に認知されてきた。

 米国からの正当な亡命者がキューバ国内に在住しているこ
とに関しては、次のことを繰り返しておく必要がある。つま
り、いかなる国のいかなるテロリストもかつて一度も我が国
に避難場所を見出したことはなく、またそのような者が我が
国に在住してもいないということを。ただしキューバは、
米国の市民的諸権利のための闘士に保護と政治的避難場所を
合法的に提供したことはある。

 他にも米国市民でキューバに在住している者がいる。犯罪、
とりわけ飛行機のハイジャックの罪を犯して裁判にかけられ、
厳しい刑の判決を受けた者が、刑期を終えた後に我が国に在
住したいと求めた。飛行機のハイジャックという米国自身に
起源を持つ災厄に、カーター政権のもとで決定的な終焉をも
たらしたのは、まさに適切な措置をとったキューバ政府であ
った。

 逆に、米国政府こそが、キューバ革命の勝利以後、数百人
の犯罪者、殺人犯、テロリストをその領土内に受け入れてき
た。それも、キューバ政府が当時存在していた特別協定に基
づいてそれぞれのケースにおいて提示した彼らの送還のため
の公的な要請を全く無視して受け入れてきたのである。これ
らの者たちの多くは、自由にまた平穏に米国の通りを闊歩し
続けている。彼らが米国やキューバや他の諸国の市民と利益
に反したさらなるテロ行為に関与した後でさえもそうなので
ある。最も悪名高く残虐なケースは、73名を死亡させた1976
年10月6日のクバーナ・デ・アビアシオン旅客機の破壊であ
る。それは西半球で初めての飛行中の民間機に対するテロで
あった。その爆破の黒幕であるオルランド・ボッシュ・アビ
ラとルイス・ポサダ・カリレスは、罰せられもせずにマイア
ミで暮らし続けている。まず第一に、ジョージ・H・ブッシ
ュの大統領特赦のおかげで、第二に、移民手続き過程での嘘
と司法妨害で引き延ばされた裁判を待ち続けているという形
で。
 これらの真実は、キューバを「テロ支援国家」と指定して
いる国務省の報告を立案した人々が当然知らねばならないこ
とのはずである。

 キューバは、米国政府が他国の行動をテロリズムという言
葉で決めつけ、政治的目的で差別的選別リストを発する権利
を自らに与えるようなメカニズムを、不当なものとして拒絶
する。その一方で米国政府は、キューバに対して恐るべきテ
ロ行為をおこなったと自認している者を、裁判にもかけずに
自由に放置することによって二面的な立場をとっている。

 その米国の二面性の一例として、我が国の5人の英雄、ヘ
ラルド、フェルナンド、ラモン、アントニオ、レネは米国に
おいて恣意的で不当な判決を受けて刑務所で服役させられて
いる。彼らが獄中にあるのは、キューバを守るために活動し
たがゆえであり、――テロ活動によって3,478人のキューバ
人が死亡させられ、2,099人が身体不自由にされた――そし
てまた、米国や他の諸国の市民を傷つけないようにするた
めに活動したがゆえである。

 キューバはテロリズムとの闘いにおいて常に模範を示し
てきた。

――キューバはすべてのテロリズム行為をあらゆる形態と
現れにおいて非難する。

――米国を含むいかなる国に対するテロ行為について、
それを組織し、資金を出し、遂行するためにキューバの領
土が利用されたことはこれまで一度もないし、これからも
決してない。

――キューバは現存する13のテロリズムに関する国際会議
の参加国であり、この問題に関する国連安保理事会の決議、
1267、1373、1540に基づく義務を厳格に遵守している。

――キューバはいかなるタイプの大量破壊兵器も保持して
いないし、保持する意図もない。また、核兵器、化学兵器
、生物兵器に関して署名した国際文書による義務を完全に
満たしている。

――2001年12月20日、キューバ共和国人民権力全国議会は、
法律93号「反テロリズム行為」を制定した。これはすべて
の国際テロ活動を重大犯罪と規定し、厳しい罰則を定めた
ものである。

――さらにキューバは、すべてのテロ活動とテロへの融資
を含むテロ関連のすべての活動を妨げ抑止するための諸措
置を採用してきた。また、国境の警備を増強し、武器取引
を妨げる措置と他国の合法的協力を強める措置を促進した。
そのためにキューバは、法的助力のための35の協定に署名
し、この領域においてあらゆる国と協力するという変わら
ぬ意向を繰り返し表明してきた。

――このような精神でキューバは米国政府とも、――積極
的なものも含め――協力してきた。3度にわたって(2001年
11月、2001年12月、2002年3月)キューバは米国当局に対し
てテロリズムと闘うための相互協力プログラムの草案を提
起した。そして2009年6月にこの領域において協力しようと
いう意向を繰り返し表明した。

 いくつもの場合において、キューバ当局は米国政府に対
して、双方の国のいずれかに対するテロリストの攻撃目標
や行動計画に関する情報交換をおこなう意向を知らせてき
た。また次のことも周知の事実である。1984年にキューバ
はロナルド・レーガン大統領に対する攻撃計画について米
国に警告を発し、そのことが米国政府当局による関係者の
中立化をもたらした。1998年には、キューバ行きのキュー
バまたは他国の航空機の爆破計画に関して、ウィリアム・
クリントン政府に情報を伝達した。

――また、キューバ当局は、キューバに対しておこなわれ
たテロ活動に関する十分な情報を米国政府に提供してきた。
1997年、1998年、2005年、2006年に、キューバはFBIに、
キューバのいくつもの旅客施設の爆破に関する豊富な証拠
を提供した。キューバで拘留しているそれらの事件の犯人
や目撃者たちへの面会の機会さえ提供した。

――さらに次のことも忘れられてはならない。キューバは
米国での2001年9月11日の犯罪的なテロ行為を公式に非難
した最初の国々の一つであった。そして、犠牲者に対する
医療支援と人道支援を提供する意思を伝え、またただちに
キューバ領空と空港を開放して米国行き旅客機を受け入れ
ることを申し出たのである。米国領土からキューバに対し
て多くのテロ攻撃がおこなわれてきたにもかかわらず、
我が国は、米国市民に影響が及ぶ事柄に関して非の打ち所
のない清廉潔白な対応をとり続けてきた。それはキューバ
が政治的高潔さと倫理的基準によって統治されている国だ
からである。

 キューバ政府は、その国の市民が米国政府の決定によっ
て新たな制限措置に服さなければならなくなるような、そ
のような14カ国のリストにキューバを含めることを、その
いっさいの道徳的権威と尊厳において非難する。

 キューバ政府はまた「国際テロリズム国家」のリストか
らキューバをただちに除外することを要求する。なぜなら
それはテロリズムに対する我が国の模範的な行動と完全に
矛盾した不当で恣意的で政治的動機による措置であり、テ
ロリズムとの闘いにおける米国の真剣さに疑問を投げかけ
るものだからである。

 さらに、米国政府に対して、テロとの闘いの遂行を表明
したからには、米国領土からキューバにテロ活動をおこな
ってきた者たちに対して断固として二重基準な しに行動す
るよう求める。また米国に不当に留置されてい
る反テロ活動家の5人のキューバ人を解放するよう強く求め
る。

ハバナ、2010年1月7日